2013年 09月 01日
いのちのスープ見て来ました
料理研究家である辰巳芳子さんが、ご自分のお父さまが脳梗塞で嚥下障害にて口から
食事出来なくなった時に、何とか命を繋げるためにとお母さまとスープを作られたのです。
そして、お父さまはそのスープを口にすることが出来たそうです。
“いのちのスープ”はまさに、そこから始まったのです。
現在、御歳89歳のたつみさんは、今もそのスープをたくさんの方にご自宅で伝えられています。
本もたくさん執筆されています。
先生のセミナーに参加した大津市の病院の職員は、玄米スープを緩和ケア病棟の患者さまに
作ったのです。
デイルームで玄米を炒り昆布と梅干を入れた玄米スープは、
食事がとれなくなった患者さまが「おいしい」と香りを慈しみ懐かしく味わっておられました。
その患者さまの幸せそうなお顔を見て、胸が締め付けられるというか、自分の不足しているもの
を突きつけられたような、こみ上げてくるような思いがしました。
また、瀬戸内海にある長島愛生園のハンセン氏病の宮崎かづゑさんが同じ病気の友人が
鼻の癌になり口から食事が出来なくなった時に辰巳さんのスープを本のレシピを見ながら
手首から先が固まって動かない両手を使って作っているシーンも衝撃的でした。
一生のほとんどをこの小さな島から出る事がなかった、差別と偏見の中で共に生きてきた友人に
「ひとくちのスープ」が友人の力になったのです。
赤ちゃんからお年寄り、病気の方、全員に提供できる“いのちのスープ”はまさに辰巳さんが
一番伝えたい「愛することは生きること」に納得できました。
きょうの上映会で当院の栄養士さんも参加しています。
彼女たちと新たに何か患者さまに出来ないかな、何かしたいと思っているのですが・・・・。
月曜日に是非、話してみようと思います。
この映画の監督の言葉から印象に残ったものをちょっと長くなりますが、抜粋してみます。
母親は出産から育児の時間、理屈抜きに壊れやすい「いのち」に向き合っています。
五感が生きいきと働き、幸福感や愛を感じる時です。
料理も味覚、聴覚、臭覚、触覚、視覚すべて使う営みです。
感覚が生き生きと働けば世界とのつながりを身体でそのまま感じます。
ごく当たり前の日常のことをきちんと行なうこと、そこに理屈ではない満足感と豊かさがある。
辰巳さんはていねいにつくることは、ていねいに生きることにつながると表現しています。
とても満足した気持ちで映画の帰りには三木市にある洋食屋ノブさんで昼食を取りました。
前から行きたいと思っていたお店です。店の中は、昭和を感じ懐かしい。
今日のランチ「ハンバーグ定食」840円
やっぱりスープから、思わずお店の人に何のスープですかと尋ねると
「ジャガイモをうらごしたスープです」。
映画の余韻を楽しみつつ、料理してくださったシェフの愛情を感じながら
おいしくいただきました。
私の食生活、料理は、はっきり言っていまいちです。
改めて、今の食生活を素材にこだわり、量でなく質を見なおす、自分の生き方を見直す
よい一日でした。見に行って良かった!